更新日:2013/01/06
【 東京都老人総合研究所 主任研究員 堀田 晴美 氏 の実験 】 から
マイクロスパイクによる皮膚刺激が、ラットの痛みを抑制することを
次の実験により見出した。
麻痺ラット後肢の体性求心性線維への電気刺激は、心臓交感神経に反射電位を誘発するが
このうちC反射電位は、麻酔下での痛みの指標となる事が報告されている。
そこで麻酔下ラットの一側脛骨神経に電気刺激を加え
心臓交感神経遠心性神経活動を記録したところ
主として以下のような結果を得られた。
① 電気刺激を受ける脛骨神経と同則の大腿部皮膚を
マイクロスパイクにより10分間庄刺激したとき
痛みの指標であるC反射電位が優位に抑制された。
② C反射電位の抑制は、刺激開始中から始まり
刺激終了後も10分間以上持続した。
③ C反射電位は刺激終了5分後に最低となり
その大きさは刺激前コントロール値の約50%まで
低下した。
以上のことから、マイクロスパイクによる皮膚庄刺激がC反射電位を特異的に抑制し
鎮痛作用を発現することが明らかとなった。
堀田氏の実験で用いられたマイクロスパイクは、小さな円形のプラスティックフィルム表面に
細かな突起が成型されたもので
突起の高さが150μmで硬質のC型と、300μmで軟質のR型がある。
特記は直径11mmの円盤上に約400本あり、微小で先端形状が平坦で
あるため当然特記が皮膚に刺さることはなく、皮膚表面に微弱な刺激を
与えるのみである。
しかし、この微弱な皮膚刺激により痛みの情報伝達を抑えることで、鎮痛等の
効果が発現するものと考えられている。
【 Systematic Care Journal PDF より抜粋 】